
2026-08-17
人生を100倍楽しむための新書
思わずジャケ買いしちゃいました!
装幀は本の顔とも言える存在。しかし、ほとんどの新書レーベルはシンプルで、タイトル勝負のものばかり。私が購入するときは、タイトルで惹かれたものが多いですが、たまに「なにこの装幀!面白い」と思わず手にしてしまうようなものもあります(そういったものは全面帯のものが多いですが)。内容はもちろん装幀(全面帯含む)も面白い「ジャケ買い」新書を紹介します。
※新書の販売時期によっては全面帯がない場合もございます。
史上最も度肝を抜かれた新書
おすすめポイント
タイトルの通り、ソース焼きそばの謎について言及した新書なのですが、当時のダブルカバーの本書はソース焼きそばそのものでした。店舗によっは、屋台のソース焼きそばを彷彿とさせるような展開をしていることも。この新書の横に割り箸を置くだけでソース焼きそばのように見える。店舗で見たときに、「えっ、なんでこんなところに!?」と驚いて五度見したあの時のことは一生忘れることはないでしょう。
2023年07月25日(火)~2023年08月20日(日)
丸善 仙台アエル店にて
書店にポテトチップス参戦!
おすすめポイント
こちらはポテトチップスが大胆に描かれた全面帯の新書です。日本人はなぜポテトチップスが好きなのか?コンビニやスーパーマーケットで手軽に手に入り、一人占めも・みんなでシェアもできるジャンキーなお菓子の歴史に迫ります。
そんな本書の全面帯に描かれたポテトチップスのパッケージ。実際のポテトチップスと並べると本物と見間違えてしまうような仕様です。

左から、
「カルビー ポテトチップス うすしお味」
『ポテトチップスと日本人』
「カルビー ポテトチップス コンソメパンチ(モノクロ)」
マンガの表紙!?
おすすめポイント
この表紙イラストを描いたのは、本書の著者であり、漫画家である島本和彦先生。まるでマンガの表紙のような、大胆にエガから他イラストから、島本先生の熱意を感じます。人生にはあらゆることに対して締切があります。「あのときああしておけば」と公開をしても、取り返しがつきません。島本先生流のあらゆる締切の守り方をぜひ本書を通して体感してください。
ブルバ初!ホログラム加工された新書
おすすめポイント
数多くの物理学者たちが長年追い求め、いまだ実現していない「四つの力の統一」。その鍵を握る「ホログラフィー原理」とは一体何なのか。宇宙と素粒子の最新理論について学べる1冊です。
ブルーバックス初のホログラム加工が、大きめの帯に施されています。ぜひ一度手にとってその輝きを目に焼き付けてください。

実際にホログラム加工された書影
装幀ってどうやって作ってるの?
おすすめポイント
個性的なちくまプリマー新書の装幀を創刊以来手掛けてきたクラフト・エヴィング商會さん。以前ちくまプリマー新書の編集長に取材をした時、このようなことを仰っていました。
クラフトさんのお話によると、ちくまプリマー新書の創刊に携わった編集者が打ち合わせに伺ったとき、「子供たちに何かひとつだけ伝えるとしたら、あなたは何を伝えますか」というコンセプトで本をつくりたいと言ったそうなんです。それを聞いたクラフトさんが、「一冊一冊が著者から読者への贈り物だから、リボンをかけた小箱をプレゼントするように本をつくりたい」と考え、一冊ずつ中身に合ったデザインをすることになったそうです。今も毎月すべてのゲラをお送りしていて、それを読んだうえでカバーを考えてくださっています。
だから、ちくまプリマー新書の装幀はプレゼントの包装紙なんです。
その言葉を聞いて、装幀も含め本が著者からの想いが詰まったプレゼントであるということがよくわかりました。本書はこれまでの装幀や、どのようにしてデザインを考えているかについてよくわかる1冊です。
新書の装幀について
新書における装幀は、ほとんどの出版社が「シンプルだけどデザインを見てどのレーベルかすぐわかる」ものがほとんどです。もちろん、そのデザインにはコンセプトや意味があります。
例えば、一番最初に創刊された新書である岩波新書ですが、赤版・青版・黄版・新赤版と、時代の変化とともに装幀に使用される色が進化してきました。今もなお、復刊された過去の新書は、赤版・青版・黄版の色のまま復刊しているのです。
岩波新書の次に刊行された中公新書は、岩波新書と被らない色にならないようにと深緑を使用したデザインになっています。
その次に刊行された講談社現代新書も、様々な変遷を経て、創刊40周年を機に現代ではおなじみのゴシック体タイトル・中央には新書によって色が変化する正方形のデザインになりました。
いずれの新書もパッと見ただけでどこの新書か理解でき、このように固定されたデザインの新書はほとんどの出版社が採用しています。いわば、各レーベルの顔のような役割をしているのです。
しかし、たまに『ソース焼きそばの謎』のフルカバーや『ポテトチップスと日本人』『ホログラフィー原理とはなにか』のような全面帯もあれば、『締切と闘え!』『ただいま装幀中』のようなレーベルで1冊ずつ装幀にこだわっているところもあります。ちくまプリマー新書のように装幀に一定の法則性がなく、レパートリーが豊富なイラストや写真が施された新書には、岩波ジュニア新書があります。
ちくまプリマー新書は「年齢問わず様々な人が読んで楽しめるような新書」として、装幀は「著者から読者へのプレゼント(=新書)の包装紙」としての役割を果たしています。
岩波ジュニア新書については、人目で内容がわかりやすいイラストや写真が装幀に施されているため、読者層である中学生・高校生が手に取りやすいようになっているのではないのでしょうか。この話についてはあくまで憶測なので、いつか岩波ジュニア新書の編集部の方にお話を伺ってみたいです。
ちくまプリマー新書の
装幀制作秘話はコチラ

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