死を欲する中国帰りの青年・黒瀬涼哉。4日後の8月16日・母の命日を最期の日と決め、その道中、嬉野温泉を訪れる。炎天下での宿探し、お盆でどこの宿も満室、黒瀬は立ち眩みを起こすが――「大丈夫……ですか?」そんな彼を救ったのは地元の高校生・叶絵だった。
縁あって叶絵の実家・ひさご旅館にほんの短い間留まることとなるが、なぜか叶絵は単なる旅館の従業員と客以上の積極的な交流を望む。他人が苦手な叶絵の普段と異なる姿に姉・朝陽に警戒されるも、母である女将は叶絵の変化を喜んでいるようで、柔らかな時間がそこには流れていた。
これは運"命"を"分"かつ新たな現代運命譚。