「高齢社会」こそ日本の成長分野となる
「5年生存率、3割」
50歳の冬、著者はステージ4の血液がんを告知された。病室のベッドで書き続けていたのは、遺書でも回顧録でもない。一本の議員立法案だった。自分がいなくなっても残る「仕組み」をつくりたい――上場企業の経営者だった著者は、2度の落選を経て、2026年2月、衆議院議員になった。
日本は世界一の長寿国だ。だが私たちは長生きを、医療費・介護・年金という「負担論」でしか語ってこなかった。長寿はいつのまにか、申し訳ないことになっている。
本書はそれを逆から見る。長寿は、設計次第で日本最大の成長戦略になる、と。
葉っぱを売って年商1千万円のおばあちゃん、新たに人工透析を始める患者をほぼ半減させた地方都市、断熱改修だけで血圧が下がった住宅。可能性はすでに各地にある。足りないのは、それを1本の戦略に束ねる国の「設計」だ。
健康、就労、治療との両立、介護、そして住まいと金融。病気になっても働ける社会、歳を重ねても役割を持てる社会は、個人の善意や民間企業の努力だけではなく制度がつくる。
いまもなお闘病中の著者が、残りの人生を懸けて描くマスタープラン。
【編集担当からのおすすめ情報】
小泉進次郎氏から「『はじめに』だけでも読んでみて下さい。藤田さんの覚悟が伝わります」との推薦コメントをいただきました。その言葉どおり、まずは冒頭の数ページを開いてみてください。
けれど、これは「政治家の本」ではありません。病気になっても働けるのか。歳を重ねて、社会に居場所はあるのか。親の介護を、家族だけで背負うのか――生きていれば誰もが必ずぶつかる問題に、真正面から答えを出そうとした一冊です。
著者は上場企業の会長でありステージ4のがんと闘いながら、2度の落選を経て政治家になりました。だからこの本には、当事者の切実さと、経営者としての設計図の両方があります。長寿を「負担」ではなく最大の成長戦略として描き直す視点は、その二つが重なったところから生まれたものです。
社会論であり、ビジネス論であり、人生論でもある。読み進めるうちに、これは自分の話だと気づくはずです。