◆市民や利用者は民事裁判をどう見ているか?-膨大な意識調査の分析から、弁護士・裁判官への評価や司法アクセスの現状と課題を解き明かす◆
市民と利用者の視点から民事訴訟の現状と課題を分析。日本人の訴訟嫌いの要因や、実際の利用者と一般市民による制度評価のギャップ、弁護士・裁判官への満足度、本人訴訟の動向などを、米国の状況を含め、広く検証。民事訴訟の現状と司法制度改革の成果・課題を、法律家目線ではなく、一般市民や手続利用者の視点から読み解き、司法への信頼を高めるための方策として、手続的公正や当事者とのコミュニケーションの重要性を見出す。
【本書のポイント】
一般市民や実際の利用者の目に民事訴訟がどう映っているかを実証的な意識調査データから明らかにする。
1)日本人の「訴訟嫌い」と司法アクセスの現状(第1部)
•訴訟をためらう最大の要因: 主に「費用と時間」ですが、他にも複数の要因が複合的に作用している。
•司法改革による改善と課題: 提訴までの期間短縮や弁護士への相談率向上など、肯定的な変化が見られる一方、地域差や当事者による格差も生じている。
2)「一般市民」と「実際の利用者」の評価のズレ(第2部)
•手続の個別評価: 実際に裁判を利用した「利用者」の方が高く評価している。
•制度全体の評価: 逆に、裁判を経験していない「一般市民」の方が高く評価するという逆転現象が見られる。
3)弁護士・和解・制度に対する具体的な評価(第3部)
•弁護士の質: 利用者は弁護士に対して、特にコミュニケーション能力を強く求めている。
•和解への評価: 弁護士が和解のメリット・デメリットを書面で十分に説明すべきだという提言。
•不平等な満足度: 大規模法人の制度評価は上がっているのに対し、個人(自然人)の評価は停滞気味。
4)増加する「本人訴訟」への対応(第4部)
•弁護士をつけずに臨む「本人訴訟」の増加に対し、統計からその動機を推測し、先行する米国の対策を参考に日本への示唆を検討。
5)他の制度や弁護士視点との比較(第5部)
•評価のギャップ: 弁護士側が考えている裁判の評価と、当事者(利用者)が感じている評価には差がある。
•労働審判との比較: 民事訴訟と比べて、労働審判の方が「迅速性」や「審理の充実性」で高く評価されている。
6)今後の民事訴訟への提言(第6部)
•コミュニケーションの重視: 裁判を納得のいくものにするためには、裁判官と当事者との対話が極めて重要。
•手続的公正の重要性: アメリカの「裁判所信頼度調査」の事例を引き合いに、日本でも「手続が公平・公正に進められたか」というプロセスへの配慮が不可欠であることを提示。