アイヌ語と日本語に堪能な知里幸惠(1903〜1922)は、
当時アイヌ民族の文化を研究していた言語学者の金田一京助に勧められ、
アイヌ民族で長らく口承されてきた神謡(カムイユカㇻ)を文字に書き起こす。
だが、『アイヌ神謡集』が完成した日の夜、病のため19歳でこの世を去る。
あれから約100年、彼女が見た北海道の光景はどれほど遺っているのだろうか。
口承から文字へ。文字から写真へ。
本書は長年、北海道・大雪山で自然と向き合い、撮影を続けてきた写真家により、
次なる100年へ、アイヌ民族の意志を写真によって遺そうとする試みの書である。