2025年に創立百五十周年を迎えた杉並区立杉並第一小の前身校が明治八年馬橋の寺での「桃園学校第一分校」に始まり、翌年「桃野《とうや》小学校」として独立、そして阿佐ヶ谷の新築校舎へ移ってくるまでの十年間の知られざる経緯を追ってみる、地域史ヴィジュアル資料集。
昭和十二年同校六十周年記念誌に記録された古参卒業生座談会席上、既に払い下げられて「あった」とされる阿佐ヶ谷村旧北野社の官有林が、実は明治十二年に同村有志が新校設置を目指して国へ願い出、立木ともども下げ渡されていたことにはじまり、その十年後実際に校舎新築移転を果たすまでの資料を読み解き、杉一小・北野社・清見寺の現況写真なども併せ視覚的に詳しく紹介する。
ローカルテーマの上に癖の強い崩し字で書かれていることもあって、これまでほとんど活用されてこなかったとみられる明治期の公文書をはじめ、さまざまな資料を引き較べてみることで中央線沿線地域教育草創期の実例を視覚的に明らかにする、これまでになかった近代地誌リファレンス資料集叢書第二冊。