
2026-10-14
人生を100倍楽しむための新書
芸術を味わうということ
「芸術の秋」と呼ばれる季節でございますが、みなさんはどのような芸術を嗜んでいますか?絵画・演劇・音楽・写真など……ひとくちに芸術と言っても種類はたくさんあります。芸術の味わい方を新書を通して理解しながら、充実した秋を過ごしましょう。
学芸員直伝!美術館の歩き方
おすすめポイント
現役学芸員のちいさな美術館の学芸員さんによる、美術館のまわり方の案内書のようなものです。なぜ美術館に行きたくても行けない人がいるのか?美術館は何のために存在するのか?どうやって美術館の情報が伝播していくのか?この新書を読むと美術館に行きたくなる!著者流美術館のまわり方も。
アートってよくわからない!という方に
おすすめポイント
そもそもアートって何?わからない!というあなたへ。自由に楽しんでいいものが、なぜか難しく感じて、どうしてもハードルの高さを感じてしまう。そんな方に向けたアート入門書です。
日本美術を理解したい!
おすすめポイント
あなたは日本美術を知っていますか?北斎や若冲など、日本美術の有名作品の見どころなどを解説した新書です。「見たことある!」という有名作品の見どころが理解できれば、日本美術への関心はより高まるはずです。
西洋美術がよくわかる!
おすすめポイント
古代から現代までの西洋美術を、オールカラーで理解できる新書です。古代エジプト・ギリシャで生まれた古代美術から、バロック・ロココ・そして現代美術までを徹底的に解説しました。
歌舞伎ファン必読!
おすすめポイント
明治から令和まで続く歌舞伎。その世界を動かしてきた10大名家の興亡史と、世襲と門閥が織りなす波瀾万丈の歴史について書かれた新書です。2025年に映画化され長きに渡り注目を集めた『国宝』により、日本全体で歌舞伎に対する注目がより集まるようになりました。初心者も歌舞伎ファンも必読です。
新書にならって美術館に行ってみた
書いた人
mashiro
美術館にたまに行く人間。
好きなアーティストはサルバドール・ダリ。
準備
2026年9月20日、私は国立新美術館へ向かった。私自身、芸術の分野には関心がある方だが、『忙しい人のための美術館の歩き方』に書かれている通り、「時間がなくてなかなか行けない」ため半年に一度しか行っていなかった。私が行けない間に、国立新美術館で行われた「モネ展」や、上野の森美術館で行われた正倉院の企画展など非常に興味・関心を掻き立てられる企画展があったが、行き逃してしまった。今となっては非常にもったいないことをしてしまったと後悔している。
というわけで、今回は「ピカソ meets ポール・スミス」へと足を運んだ。私は幼少期からピカソを知っており、おそらく母親とピカソの展示を見に行ったからと推測される。その証拠にピカソの画集が家にある。いつ行ったかは全く覚えていないが、ピカソに縁を感じたので、向かった。
※「ピカソ meets ポール・スミス」は、2026年9月21日をもって終了しました

「ピカソ meets ポール・スミス」とつもも
『忙しい人のための美術館の歩き方』の著者によると、美術館には必ず鉛筆とメモ帳を持っていくらしい。著者によると、ロルバーンのような裏地が硬いノートや、ダイゴーの「すぐログ」「すぐメモ」シリーズが書きやすく鉛筆の収納ができるためおすすめとのこと。今回は「すぐメモ」を持って美術館へ。
ちなみに筆記具が「鉛筆」「ノートやメモ」である必要性には理由があり、多くの美術館では「鉛筆以外の筆記具の使用は禁止」というルールになっているところが多いからだ。ボールペンやシャーペンの場合、美術品を傷つけてしまう可能性があるかららしい。また、デジタルデバイスを使用していると写真撮影不可エリアなどでの使用が難しいため、上記のようなアナログな筆記具の使用が推奨される。
本書によると、
①まずは解説を見ないで作品をざっくり鑑賞し、自分が思ったことをメモする。
②自分の感性を持ったうえで、展示の解説を読む。
③そのうえでまた作品を鑑賞する。
のようにまわることが美術館を歩くコツだそうで。それにならって実際にまわってみた。

ダイゴー「すぐメモ」
やってみた
本書に書かれたコツのとおりに、「ピカソ meets ポール・スミス」をまわった。「牝牛の頭部」という立体作品から、各展覧会で展示されてきたピカソの作品まで、自由な順路の中を何度も行き来して、2時間ほどピカソと向き合った。
改めてメモを読み返してみると、非常に字が汚い……というのは仕方ないとして、ある一つの疑問が生まれた。

母と子ども
オレンジをあしらった顔
しかし母の顔にくちはなし
うーん なんというか
華やかな鬱ってあるよね

ピカソは女性をかくとき
どうしてキラキラして
いないんだろう
ピカソが描く女性は、この企画展で見る限り笑っていないのである。ピカソは子どもの絵も描くが、いずれも表情があり、愛おしさを感じる。しかし、女性の絵には表情がない・口がないのような描かれ方がされている。
その答えを企画展を振り返りながら考えてみたが、モヤモヤとしたまま答えは出なかった。企画展をまわり終わったあと、「きっとピカソのことを、ピカソが生きた時代を、彼の生涯のバックグラウンドの全貌を知らないから、予想すらできなかったのだろう」という答えにたどり着いた。西洋美術史とはほぼ無縁の人生を歩んできた私は、まずそこから学ぶべきなのでは?と思い、西洋美術史の新書を何冊か読んでみようと思うようになった。
まさか、新書からスタートした美術鑑賞が、最終的に新書に戻ってくるとは。想定外の結果に至り、かつ美術鑑賞という一つの経験が新たな知的好奇心を育むという結果となった。メモと本書の歩き方のコツを通して、心が豊かになった。この経験を「時間の無駄」としてなくしてしまうのは、人生に彩りがなくなってしまうと思えるような時間となった。
そして、アウトプットへ
本書ではSNSなどでの発信によるアウトプットを行うことでより美術鑑賞という経験が身になると書かれていたので、その日の午後にmagmabooksで行われていた「新書の学校2026 読書会 with倉田シウマイ」に参加した。magmabooksにて毎月開催されており、1冊の課題図書をテーマに語り合うという会だ。参加した回の課題図書が『忙しい人のための美術館の歩き方』で、6人で「美術館」をテーマに語り合った。
今回の参加者には自ら美術館に行かないという方や、作品のために海外の美術館まで行くという方もいた。私たちはなぜ・なんのために美術館に行くのか?各々の価値観を共有していると、あっという間に90分が経過してしまった。私は今回の経験をもとに、「作品と向き合う時間を通して自分の感情の整理ができた」と語った。
芸術には正解がないものがほとんどで、自ら導き出すものだと考えている。その時間は決して無駄な時間ではなく、心を豊かにしてくれるものであると改めて感じられた。このことはこの記事をもって伝えていきたい。

「新書の学校2026 読書会 with倉田シウマイ」に参加したつもも
感想は
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